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★★★『日本を祝う』 [博物館・美術館]

サントリー美術館『日本を祝う』レセプションへ

★イヤホンガイドを借りてゆっくりと鑑賞。
 サントリー美術館の名品達が、これまでにないくらい喜んでいる。
 こういうふうに見える展示は「いい展示」である。
 少し前に開館した三井記念美術館とは違って格段に高いレベル・高品位な仕上がりを感じさせる展示・・・。

●展示
 結論からいうと、現在の展示の国内トップレベルの仕上がりで感動させられた。
 ゆっくり過ごしても疲れない。量もちょうどいいのだろう。

⇒建築は隈研吾氏。
 以前、東博での講演会で最近の「木ルーバー」「レイヤー」コンセプトを聞いていたので、その効果を確認。
⇒照明コンサルは豊久氏とのこと。
 法隆寺宝物館、森美術館など美術館照明では卓越した手法を打ち出している。興味をもって照明鑑賞。
・光ファイバーを駆使した天井ルーバー越しのスポットライトは、国内では初手法ではないだろうか。
 太径のファイバーを4分岐で、レンズによる光学制御を行なっている。
 カッタースポットを使うよりも天井をコンパクトに見せることが可能で、ルーバー天井越しの照射方向可動範囲も有利。

⇒移動展示ケースは国産●社による5面ガラス、展示作品に合わせて天井照明器具灯数と照射方向、ケース上面のテクスチュアの透明/フロストを使い分け。
 ただし、フロスト状になっているケース上部の天井は、照り返しで天井ルーバー越しに天井裏臓物が少々気になる。
 天高5,000mm程度なので、これは目立つとの指摘が先輩学芸員からあった。
 免震装置、床からの給電システムの納まりは美しくまとまっている。
 ケース内光ファイバーも、これ以上無理というくらい超小型にこだわっている。
・特筆すべきはケースの開閉システム。外観からはどうやっているのか全くわからない。。。

⇒壁付きケースは展示室内と空間的にフラットにつなぐ工夫が感じられる。
 基本展示高さがケースによって違うので、異なる展示台を使い分けて高さ調節している。
 上部のスポットは約100mm@で光ファイバー先端器具を付け替えることが可能なシステム。
 下部照明はおそらく白色LEDをライン状に仕込んでいるので、今後の展示替えでの使用が楽しみだ。

☆さて、久しぶりに自分の研究開発の方向性ヒントが多く、刺激になる美術館が身近に生まれたぞ。
 帰りにスタバでちょっと休憩しながら、お土産にいただいた図録をパラパラ。
 うーんセンスがよろしい・・・///
 
 リッツカールトン・エントランス前の床埋め込みランダム照明器具。
 


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小川修

コクヨエンジニアリング&テクノロジー㈱という会社で、現在代表取締役をさせていただいております小川といいます。
サントリー美術館の展示ケースを担当致しましたコクヨ設計者とは、私が現職に就くまで同じ釜の飯を食った仲間であります。
設計者からこのブログにて、ケースのコメントを頂いていると(大層喜んでいる文章で)連絡を受け早速読ませて頂きました。
黒子であるケースにまで有り難いコメントを頂き、我が事のようにうれしく思います。
彼らが今まで積み重ねてきたものが、報われるようで本当にうれしく思います。重ね重ね有難うございます。
by 小川修 (2007-04-06 10:40) 

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