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★ 日本美術解剖学会 in 東京藝術大学 [骨・美術解剖学・身体]

★きょうは 日本美術解剖学会 in 東京藝術大学
 午後からのシンポジウムに登壇予定、である。

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 今年は養老孟司会長の講演があるので、前座的なもんだろう・・と思っていたら、
 しっかり時間を頂戴してしまったので、なんとかまとめねば。。(汗)

   ◆ シンポジウムⅠ「筋肉について~科学の立場から」
      坂井建雄 (順天堂大学医学部教授)
      遠藤秀紀 (東京大学教授)
   司会:布施英利 (東京藝術大学准教授)

   ◆ シンポジウムⅡ「筋肉について~芸術の立場から」
      松井冬子 (画家)
      木下史青 (東京国立博物館デザイン室長)
   司会:布施英利(東京藝術大学准教授)

   ◆ 会長講演・養老孟司 (東京大学名誉教授)

★=================================
 テーマは筋肉:
◆順天堂大・坂井先生の、ヴェサリウス以来の解剖図についての講演、
 帰ってから先生の著書『人体観の歴史』(岩波書店)読み返してみよう。

◆東大総合研究博物館・ 遠藤秀紀さんの解剖現場の喜び(^O^)/についての講演。
 アリクイの解剖と咀嚼筋、噛筋の写真&「動きCG」は面白く、、、
 アリクイは顎が上下でなく、なんと“左右”に開いて「噛む」
 そこに機能“美”はあると感じたが、
 大系的な美=アートの文脈化はできるだろうか⁈

◆布施先生のレオナルドの解剖図」:指の筋肉についてのレクチャー。
 浅層筋と深層筋との関係、、など。
 やはりダ・ヴィンチの表現には別格の“美”がある…

◆画家: 松井冬子さんの「仔牛解剖」プレゼン。
 彼女の容姿・その画風と異なり(失礼)、震える声で作画プロセスを語る。
  …ソーセージ作りと内臓の解剖は、見た目変わらないんだが、。
 画家はあらゆる状況/真実を冷徹に見つめる眼を持たねばならない。
 講演後に名刺交換:次の美術館での個展に期待。

★そして自分の番。演題は、、
『“光の秩序”と“お堂の光” ーギリシャ彫刻と仏像を見せる展示』
 なんともこじつけっぽいなあ(苦笑)

 20年以上(自己の半生)の『石膏デッサン=石膏像を描く意味』に関連して、
 藝大美大受験時代から、大学に入っても身についてしまった、
 光や造形原理の捉え方が、いかにいまの展示デザインの仕事に対して、
 その価値観が、良くも悪くも影響を与えてしまっているか・・・

 その功罪!?を前提に、2005年に東博で経験した『踊るサテュロス』と、
 『中宮寺 菩薩半跏像』の展示と照明についての事例紹介をおこなった。
  ※養老先生に僕の拙い話を聞いていただいて、恐縮しつつ無上の喜び f^_^;)

 IMG_3144s.JPG
  藝大浪人時代の石膏デッサン《マルス》

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 「ボルゲーゼのアレス(マルス)」前1世紀あるいは1世紀(原作:前420年ごろ) ルーブル美術館蔵

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 (本末転倒だが)立像としての「マルス」から何を学ぶ!?

◆養老孟司会長の講演は、やはり⁈ラオスのゾウムシのことから。
 ゾウムシの顎は、その頭部から伸びた先端にあり、それを動かす筋肉は頭部に。
 それを長い腱で動かしている。
 昆虫の関節部は、脊椎動物と違って、「ゴツゴツ/ザラザラ」していて、
 そのことで動きがスムーズでなく何段階かの動きになるが、
 寿命が短い彼らの場合は、それでOKなのだろう・・・

 最後に『虫の図鑑・クワガタ編』の話。
 ふつう「シンメトリー」でない日本人的メンタリティと思うのだが、
 昆虫標本づくりにおいては、徹底して虫の6本の脚を、手間ひまかけて、
 きっちりとシンメトリーにすることにこだわる。それは何故か?

★学会総会は、あっというまの3時間で閉幕。
 懇親会は残念ながらの欠席。。
 
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