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★『十三人の刺客』 —武家の社会/武士として生きる [芸能・演劇・映画・音楽 etc.]

三池崇史監督の『 十三人の刺客』は、昼間しかやってないと思っていたが、
 夜の回を見つけたので、先日仕事帰りにやっと映画館に行く事ができた!

 IMG_2502s.JPG

 今年最高の映画になるかもしれない。
 幕末に生きる侍が、組織人としての自らのあり方と、
 個人の自己実現、あるいは家庭人としての生き方との間で揺れ動き、
 時代の運命に飲み込まれてゆく話。

〈侍〉といえば、亡祖父/伯父が 居合の道場をもっており、
 さむらいとしてのあるべき生き方を体現していることと、
 武家茶道である 遠州流を、僕自身が稽古していることで、
 たびたびその価値観・世界観に触れる事があることから、
 現代でもその精神は受け継がれているのだな、と感じる。

 この映画では、殺陣を楽しむ事ができた。
 中でも伊原剛志の刀さばきの迫力に息をのんだ。
 松方弘樹の時代劇的見栄の切り方は、逆に浮いていたが、
 これはこれでいい味として、日本映画の底力を感じさせられた。

 あるいは名傍役の眼力のぶつかり合いに緊張した。
 松本幸四郎、松方弘樹、そして若い方では山田孝之。
 市村正親、古田新太、伊勢谷友介、六角精児、
 沢村一樹、岸部一徳、平幹二朗・・・
 そして稲垣吾郎!(初めていい役者と感じた)

 もちろん、主役の役所広司も『突入せよ!「あさま山荘」事件』
 以来のリーダー役を存分にこなしているのが、まさに適役。。

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』はDVDで見た時は、
 三池流にすばらしくエンターテイメントだったが、
 こちらは初っ端からひどくシリアスなシーンから始まって、
 見る人の感情移入を巧みにコントロールしてゆく。
 余計なテロップや、意味ありげなスローモーションが無い。(最近の映画はこればかり)

 エンドロールを眺めていたら、藝大・東博の先輩でお世話になった、
 現在は共立女子大学・教授 長崎 巌氏の名が!
 衣装などのアドバイザーだったのかな?

 夢に出るようなグロさ、ヤバいアクション、三池流のサービス精神旺盛な
『DEAD OR ALIVE 犯罪者』を見て以来のファンだが、
 実はほとんどといっていいほど他の作品を見ていないので、
 これからひとつずつ見ていきないなぁ。

※《雪中松に兎・梅に鴉図屏風》葛蛇玉筆 エツコ&ジョー・プライスコレクション
 が、座敷のシーンの背景に使われていたなぁ。。違う作品だろうか?
 http://www.tnm.jp/jp/exhibition/special/20060704price_list.html#3

 前作の『十三人の刺客』(昭和38年)は、早速アマゾンで中古DVDを注文した//
 さて現代に、明日から武士として生きる、とは?


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