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★ハンス・コパー [博物館・美術館]

有機ELで照明されているという 「ハンス・コパー展」

 HANS COPER_1826s.JPG

  汐留ミュージアムはルオー・ギャラリーもこの7月にオールLED照明に変わったという・・・

 会場に入るとルーシー・リーのアシスタント時代に作ったというボタンが、
 サイドから2種の色温度のLEDを併用した、宝石箱のような展示ケースに入っている。
 覗き込むとハーフミラーの効果で、ボタンの裏側を見せつつエンドレス映り込みが面白い/\/\

 蛍光灯コルトン、光ファイバー、カッタースポット、スプレッドレンズ、間接照明・・・
 と照明手法オンパレード。ついつい目がいく。そしていよいよ有機EL照明を見る。

 4面アクリルケースでバックパネル付き。電源コードはバックパネルに通しているらしい。
 上部に□80mm/4.5mm厚×2ヶのユニット。
 下部はユニット×1ヶを“あえて”見えるように設置。
 演色性に優れているため陶肌の微妙な色調が鮮やかに見え、直進性に優れつつ柔らかい光質。
 輝度はあるものの眩し過ぎることが無いのは、指向性の性質のせいだろうか。

 作品の形態に応じて、上部ユニット2つの配置を変えている。(こういう遊びの要素が楽しい)
 うーん、これはぜひ使ってみたいと思った。

 ルーシー・リィーのコーナーは、美しい展示がされていた。
 器の下に敷いた薄板の光沢感/反射光が功を奏している。
 器の内側/外側がまったく視覚的に違うこと無く、自然に見える。
 こういう反射効果が得られる素材は、ありそうでなかなか無いもの。
 ただ、滑る素材でもあるので転倒防止措置は欠かせない。。。

☆ハンス・コパーの器と、建築装飾、そしてオブジェは、
 どれもヒトの形態に通ずる造形である。

 やはり西欧の造形の基本は「人体」であることにゆるぎが無いのであろう。
 しかもユダヤ系ということであるそうなので、キリスト教的世界観とは異なった、
 “キクラデス・フォーム”へと達するプロセスが、ゾクゾクと琴線に響いてきた。

 僕の実家にも、キュクラデスの小さな像があった。
 その明るさを、彼の人生は希求したのでは?と勝手な想像をしつつ、
 その最晩年の、研ぎすまされた形態と静かに向き合った。


★話題の「ルオー・ギャラリー」の方は、LEDの演色性が悪いせいか、
 油絵の具本来の発色が濁っていると感じてしまった。これではダメだろう。
 LED分光ごと演色評価数、特にR9の数値をもっと上げないと、
 色彩が命!の作品においては、美術館博物館ではまだまだ使えない。
 各社凌ぎを削っての開発競争分野なので、改良改善は時間の問題だろう。

 LEDによって質感・輝きは増して見えるせいで誤魔化されそうになったが、
 ルオー作品の本質である色彩と筆触の魅力は少々減ぜられてしまったかと。
 しかし油絵なら比較的高照度での展示が許されるので、OKとも言えるだろう。

 ルオーの、より荘厳な宗教観・神秘性を感じるギャラリーの展示デザインやってみたいところ。
 あのP社のビルの中に、そんな空間を現出させる幻が、僕には見えるんだがなぁ(笑。。

 ※最近、お寺の仏像にもLED照明を使う傾向があるようだが、
  LED素子の持つ性能を吟味して使わないと、“魂が抜けて見える”結果になりかねない、と思う。
  多くのお堂では自然光やろうそくの炎が補足される場合も多いが・・・


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