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★ BIOMBO ★ [展覧会・アートイベント etc.]

★レセプションの時に駆け込みアウト!で、図録だけいただいた展覧会。
満を持してサントリー美術館へ出かける。

BIOMBO / 屏風 日本の美
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol03biombo/index.html

 

 美術館の展示ケースの完成度については以前にも日記に書いたが、
今回は屏風を展示するための「仮設ケース」の完成度に驚かされた。
かなりの長さのケースを仮設で作っているが、ほとんどの鑑賞者は気がつかないだろう。

 照明には蛍光灯に加えて、通常使用するハロゲンランプのスポットライトを使わずに、すべて既存ケースに合わせた光ファイバーのシステムを使っている。
そのため、色温度の差異も生じず、既存のケースと全く違和感が無い。

 ケース外部は塗装で仕上げ、内部は紙の経師仕上げ。紙の色はグレーだが、よく選ばれている。
ガラスの支柱は構造的に消せないが、高透過ガラスにおそらく飛散防止フィルム張りで、これはまあ普通の仕様。
が、上部照明のいわゆる熱切り部は、蛍光灯部分を拡散シートを張り、光ファイバーの先端部はクリアのアクリルとしている。
(拡散シートはのせただけかもしれない)
下部の照明はおそらくLEDなのか?既存ケースと似ているが、外観からディテールはほとんど仕組みがわからないおさまり。

 屏風の展示高さはいろいろなので、さまざまな展示台で変化のある見せ方を苦労しているようだが、とくに違和感はない。
通常、下部からの光がイタズラをして、屏風台の影が屏風に妙な影をを生じさせる事があるが、今回は全くそれがない。
うまく光をコントロールしている。

 ほぼ毎週の展示替えなので、現場ではご苦労されているだろう。
 ※狭いケース内で扉を何度もくぐって屏風を持ち運ぶのは大変な作業だ。
 ケースの出来はいいものの、やはり面積が狭いので屏風を開く角度はかなり苦労している模様で、場所によってはきつい角度の展示も見られた。

●ケースのことばかり書いたけれど、もちろん屏風鑑賞は堪能した。
 なかでもサントリー美術館の至宝「祇園祭礼図屏風」を、ケルン、メトロ、クリーブランド、ボストンからの一連の屏風・襖絵と並べて展示する事は、この美術館にとって念願のことだったにちがいない。

★帰ってから図録で細部を見て楽しむものの、展覧会での興奮は伝わらない。
 図録で見ても、屏風の枠や折れ曲がった置き方の臨場感が全く消えている。
 なにより屏風の「大きさ感」がわからないので、会場ではとりあえず距離を置いて鑑賞するのがオススメ。それから気になるところに近くによって眺める。頭に刷り込む。

 特に京博の「山水屏風」は少々低めに展示してあるので、しゃがんでみるくらいがちょうどよい。

●東京ミッドタウンの外構にあるトニー・クラッグの「ファナティックス」を見て帰る。
http://www.tokyo-midtown.com/jp/design/publicart/artist12.html
  彼は先日「第19回高松殿下記念世界文化賞」を受賞したばかり。この受賞も少々驚きだが・・・
 


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カツヌマ サナエ

shiseiさんへ

初めまして、カツヌマと申します。いつも楽しく拝見しています。
私は大学付属美術館に勤めていてまだ下っ端なのですが
日々、展示について学んでいきたいと思っています。

shiseiさんのブログにサントリー美術館の展示について
色々語っていたので気になって行ってきました。

飾られている屏風や作品よりもライティングやケースが
気になってしまいました。もちろん屏風は素敵でしたが・・・
shiseiさんのいう仮設ケースがどれなのか、分かりませんでした。
もっと勉強しなくては、と感じました。
私の美術館に比べて、ものすごくハイテクでビルの一部なのに
すごい異空間でした。
とても参考になり、取り入れられる部分があれば私の美術館でも
挑戦していきたいです。

長々とコメントしてすいません。
お忙しいと思いますが、これからのブログ、楽しみにしています。
では失礼致します。

(カツヌマ サナエ)
by カツヌマ サナエ (2007-10-18 00:20) 

カツヌマ サナエ

とても参考になりました!
by カツヌマ サナエ (2007-10-18 00:22) 

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