スキン+ボーンズ ★ [展覧会・アートイベント etc.]
☆国立新美術館へ訪れるのは開館記念展以来、二度目だ。
スキン+ボーンズ-1980年代以降の建築とファッション
Skin + Bones: Parallel Practices in Fashion and Architecture
★ホワイトキューブの展示室の中を淡々と展示物が並ぶ。
たぶん「建築」よりは「ファッション」の若い人が多いようだ。
映像を見る人が立ち止まっているのが邪魔なので、無視してすり抜けながら観た。
展覧会の意図をさぐるのはけっこう難しい。「1980年代以降の・・・」というキーワードに釣られて行くと、少し戸惑う。日本では「バブル経済期以降の・・・」という発想になりがち。
コンセプト:意図 と フォルム:機能/表現 の関係を解き明かすのに時間がかかった。
会場途中のベンチにある図録を読むと、展覧会企画はMOCAである。さすがにコンセプトを立ち上げるシステムには脱帽する。
川久保玲・山本耀司 やヴィヴィアン・ウェストウッドの展示のあたりで、もっともらしい解説を読むと「本当かな?」と思う。
あれはどうしようもない行き詰まりの中での、ほぼヤケクソに近い気分での表現だと思っていたので。
「構築・脱構築・再構築」を見るのも複雑な気分。
ファッションとしての建築が語られるのは、わかっていてもなんとなく釈然としない。「古典的な価値観」が首をもたげるからか?
しかしボロボロや脱構築、の中にも「エレガンス」が失われていないものが今に残っていることがよくわかる展覧会だった。
エレガンスを日本語に訳すととても難しいが、「華麗」とも「優雅」とも違う、いま書店に多く並ぶ「品格」がそれにあたるか。
なかではディズニーコンサートホールのF.O.ゲーリーによる制作検討模型にインスパイアされてしまった。
このロスの中心にある不思議な形態のホールは、磯崎によるMOCAのはす向かいにあって、僕が行った時はまだオープン直前で外観のみ見る事ができた建物だ。
近くにはラファエル・モネオの教会もあって、これもアメリカ的な根付き方をした名建築だろう。
しかしこの「根付き方」を情報革命の20世紀末は越えてしまったのかもしれない。
というわけで、この展覧会は21世紀前夜の世紀末の情報革命がもたらした地域の超越と、新しい人間像の復権と言い切ってしまおう。
願わくば情報として「消費」された以後の建築がしっかりと残って行く事を。。。。。
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