☆★若冲★☆ [展覧会・アートイベント etc.]
今日は振替休日
★10時に相国寺へ
開基足利義満公600年遠忌記念
『若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会』
鹿苑寺の水墨画と「動植綵絵」の部屋を行ったり来たり・・・
混雑の合間から愛用の単眼鏡フル活用。舐めるように見る。
目的のひとつは「釈迦三尊像」の表現。
「動植綵絵」と並べて展示した時に、それが際立つはず。
“若冲の人間描写はいかなるものか と自然との関わり”
「動植綵絵」と「釈迦三尊像」
もともとひとつのシリーズもののはずだが・・・
これを一緒に並べて「人間描写としての仏の姿」を観察すると、若冲がどんな人間観を持っていたのかよくわからなくなる。
他の自然描写と絵画表現では、彼の自然観に一貫したものを感じるのだが、人間の描写では自然観が一致しない。
というより人間描写に深奥さを感じることができない。
図録でもう一度検討してみよう。
11時半までゆっくり見た。
色彩の渦に疲れると、鹿苑寺の水墨ふすま絵の展示に戻る。
また「動植綵絵」に引き返す。「釈迦三尊像」 を見直す。
象の牙の数と、赤い帯で拘束された顔面を見る。
菩薩の白い爪が尖った状態を見る。
とりあえず図録を買って退場。
※警備員のうるさい誘導の声も、iPod+audio-technicaのイヤホンのおかげでまったく無視して、快適鑑賞空間に変わった。
★★午後から名古屋へ移動
愛知県美術館「若冲と江戸絵画」
“光の変化と絵画の表情”のところ効果を確認。
少し色温度が低いあたりが気のせいかちょっと弱い。
まわりの色との関係かもしれない。
それにしても思い切って露出展示をしたなぁ!!
とても作品が自然に見えて、なかなかよい。
4会場ではもっとも美術館的イメージに忠実な空間だろう。
あの「葡萄図」もほとんど皺が見えない!
両会場とも、FL40w AAA電球色を使用しているようだ。
ちょっと赤みがあるが、ハロゲンスポットとの相性はこちらのほうがいいのかも
☆愛知県庁舎の免震工事と名古屋市庁舎を見学。
「動植綵絵」と「釈迦三尊像」
もともとひとつのシリーズもののはずだが・・・
これを一緒に並べて「人間描写としての仏の姿」を観察すると、若冲がどんな人間観を持っていたのかよくわからなくなる。
他の自然描写と絵画表現では、彼の自然観に一貫したものを感じるのだが、人間の描写では自然観が一致しない。
というより人間描写に深奥さを感じることができない。
by SHISEI (2007-05-25 01:37)
さて若冲の釈迦の絵は、画面中の人間の大きさにも差をつけ、象や獅子の上に乗るためにまったく重さを感じないように描かれている。
釈迦の描き方としては定石どおりだが、若冲の自然観とはやはりしっくりこない印象だ。。。
このしっくりこない感じを、Y先生に聞いてみた。
あらためて(初めて)「動植綵絵」と「釈迦三尊像」を実際に並べて見てみると、「釈迦三尊像」 の大きさが際だっているなぁ・・との感想だったそう。。。
そこにはうまく言えないが、若冲の『謙虚さ』があるのではないか、との返信。
う〜ん なるほど!
どうやらこの画家は、釈迦の姿を鳥や動植物と同格に扱うメンタリティは持ってなくて、それは「人」でもなく、何か超越的な存在として仏陀の姿を描いた。
というように解釈したしだい。
たしかにこの釈迦には身体性が全く感じられない。
でも例えば「爪」や「後光」の描き方などは妙にエロチックで、絵絹への絵の具の重ね方や食いつき方はやはり若冲らしさが見られる。
by SHISEI (2007-05-25 01:41)